第25回 石西礁湖自然再生協議会を開催しました
2019年6月29日(土)に八重山合同庁舎大会議室において、「第25回石西礁湖自然再生協議会」が開催され、委員、傍聴を含め47名の方が出席しました。
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石西礁湖自然再生協議会の様子 |
<新規参加委員の承認>
はじめに新規参加委員の承認が行われ、下記の4団体が、出席委員の拍手をもって承認されました。
・竹富町観光協会 (推薦者:石垣市観光交流協会)
・沖縄県教育庁八重山教育事務所 (推薦者:沖縄県環境部自然保護課)
・石垣市教育委員会学校教育課 (推薦者:石垣市環境課)
・竹富町教育委員会教育課 (推薦者:竹富町政策推進課)
<話題提供>
次に、事務局や委員から3つの話題提供がありました。
(1)石西礁湖のサンゴ礁の現状〜2018年のサンゴ礁調査結果〜
環境省より、2018年の石西礁湖の現状について、モニタリングサイト1000とサンゴ群集モニタリング調査の結果を基に報告がありました。サンゴの被度が少しずつ回復していること、新規加入は北側で多いこと、SPSSの値が悪化していることなどが紹介されました。
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藤田上席自然保護官(環境省石垣自然保護官事務所) |
(2)沖縄の気候変動とその対策〜もう始まっている 地球温暖化〜
沖縄気象台の宮内委員より、沖縄の気候変動について報告がありました。地球温暖化の進行とそれに伴う海面上昇、海洋酸性化などについて説明があり、適応方策の実行に関連する監視・予測情報として、高度化された海況監視予測システムが紹介されました。
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宮内委員(沖縄気象台) |
(3)石西礁湖の自然環境−長期目標の達成に向けて−
話題提供の最後に、土屋会長より、これまで石西礁湖自然再生事業で実施されてきた調査の概要、協議会(WG、部会を含む)での議論の経緯、課題などについて紹介がありました。発表の中で、@調査データ等の記録集を作成する、A多様な分野の関係者により調査結果の総合解析を行う、Bサンゴ礁の保全対策を石西礁湖から世界へ発信するという3つの提案がなされました。
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土屋会長 |
<議題>
(1)『石西礁湖自然再生全体構想 行動計画2019-2023』(案)について
これまで協議会や部会で議論を重ねてきた「石西礁湖自然再生全体構想 行動計画2019-2023」について、事務局より最終案が示されました。連携についての表現、SDGsとの関係性、情報発信方法などについて意見交換が行われ、それらを踏まえた修正版をメーリングリストで最終確認することとして、拍手により承認されました。
承認された行動計画の具体的な取組として、静岡大学の鈴木委員より、サンゴの生理状態を知るための新たなモニタリング項目の設定や、調査・解析等を行うために専門家と協力できるプラットフォームの設置について提案がありました。
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鈴木委員(静岡大学) |
(2)環境省事業実施計画の見直しについて
環境省が見直しを進めている「環境省事業実施計画」について、現時点での内容の説明があり、会場から、気候変動への適応策の記述を加えてはどうかといった意見などが出されました。今後さらに検討を進め、第26回協議会で承認を得る予定です。
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環境省事業実施計画の説明の様子 |
<部会の開催報告>
事務局より、5月に開催された3部会の報告がありました。重要海域での工事・事業については状況に応じて協議会で情報共有する場を設ける検討を行うなどの対応方針が確認されたこと、モニタリング等の結果については科学的解析等を支援する作業チーム(タスクフォース)の設置を検討することなど、主に議論された内容の説明がありました。また、重要海域については設定から年数が経過していることから、資料として配付され改めて確認されました。
<その他>
事務局より、竹富町が加屋真島で計画している航路整備の事業について、八重山漁協との調整により計画が変更になり、航路の浚渫は実施せずに桟橋を再整備する方向で調整していると報告がありました。また、全国の自然再生協議会の取組状況、プラスチック資源循環・海洋ごみ対策に関する施策の紹介がありました。
(参考)環境省 自然再生ネットワーク
https://www.env.go.jp/nature/saisei/network/
第25回 石西礁湖自然再生協議会
配布資料
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