石西礁湖生きもの図鑑ーサンゴのなかま


種名:イボハダハナヤサイサンゴ
学名:Pocillopora verrucosa

石西礁湖でも潮通しの良いところを中心に広い範囲で見られる。枝にイボの様なコブが多くあることからこの名前が付いた。茶色やピンク、紫色など色が多様で、ポシロポリンというタンパク質由来とされている。枝状のサンゴの中では成長速度が遅いが、骨格の密度が高く、非常に硬い。本種は幼生保育型(卵や精子ではなく、プラヌラ幼生を放出する)で、春から夏の月に1回、少数の小さい幼生を昼間に放出する。枝の間にはサンゴガニ類やサンゴテッポウエビ、ダルマハゼ類などの生物が生息し、特にサンゴガニ類はオニヒトデからサンゴを守るといった共生関係にある。
水温上昇などによってしばしば白化している様子や、群体の一部が死亡している様子が見られている。

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種名:イボハダハナヤサイサンゴ(白化した状態)
学名:Pocillopora verrucosa

石西礁湖でも潮通しの良いところを中心に広い範囲で見られる。枝にイボの様なコブが多くあることからこの名前が付いた。茶色やピンク、紫色など色が多様で、ポシロポリンというタンパク質由来とされている。枝状のサンゴの中では成長速度が遅いが、骨格の密度が高く、非常に硬い。本種は幼生保育型(卵や精子ではなく、プラヌラ幼生を放出する)で、春から夏の月に1回、少数の小さい幼生を昼間に放出する。枝の間にはサンゴガニ類やサンゴテッポウエビ、ダルマハゼ類などの生物が生息し、特にサンゴガニ類はオニヒトデからサンゴを守るといった共生関係にある。
水温上昇などによってしばしば白化している様子や、群体の一部が死亡している様子が見られている。

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種名:ショウガサンゴ
学名:Stylopora pistillata

石西礁湖ではいたるところで見られるが、数は少なく、比較的光が弱いところに多い。波当たりの強い場所では枝が太く短く、静かなところでは枝が細く長くなる。茶色やピンク、紫などの色の群体がいる。雌雄同体の幼生保育型(卵や精子ではなく、プラヌラ幼生を放出する)で夏に月1回幼生を放出する。枝の間にはサンゴガニ類やサンゴテッポウエビ、ダルマハゼ類などの生物が生息するほか、サンゴヤドリガニという、サンゴに虫こぶを作って骨格内に生息するカニもいる。また、観賞用として市場に出回っており、愛好する人も多い。
水温上昇や強い光によって白化する様子がしばしば見られている。

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種名:ハナバチミドリイシ
学名:Acropora cytherea

種名:ハナバチミドリイシ
学名:Acropora cytherea

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種名:ナンヨウミドリイシ
学名:Acropora hyacinthus

石西礁湖では広い範囲で浅場に見られるテーブル状サンゴの1種。成長すると2m以上になることもある。骨格は比較的脆いが、成長が早い。色は自然下では茶色や緑色、灰色の群体が多い。雌雄同体の放卵放精型(卵と精子を海中に放出する)で、ミドリイシ類共通の特徴として、夜に卵と精子が詰まったバンドルを一斉に放出することが知られている。本種はもともと本州にも生息するクシハダミドリイシとされていたが、2015年に南方の種は別種とみられるようになった。
夏に水温上昇などで白化する様子が見られている。

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種名:ウスエダミドリイシ
学名:Acropora tenuis

石西礁湖では主に浅場に見られる散房花(コリンボース)状サンゴの1種。骨格は比較的脆いが、成長が早い。色は茶色や緑色が多い。雌雄同体の放卵放精型(卵と精子を海中に放出する)で、ミドリイシ類共通の特徴として、夜に卵と精子が詰まったバンドルを一斉に放出することが知られている。本種はミドリイシ類の中で比較的白化に強く、2016年の大規模白化を生き残った群体も多くいた。その為、サンゴ種苗生産へとよく利用されており、自然再生の面で注目されている。
高水温や強い光によって白化することが多いが、死亡は比較的少ない。

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種名:ウスエダミドリイシ(白化した状態)
学名:Acropora tenuis

石西礁湖では主に浅場に見られる散房花(コリンボース)状サンゴの1種。骨格は比較的脆いが、成長が早い。色は茶色や緑色が多い。雌雄同体の放卵放精型(卵と精子を海中に放出する)で、ミドリイシ類共通の特徴として、夜に卵と精子が詰まったバンドルを一斉に放出することが知られている。本種はミドリイシ類の中で比較的白化に強く、2016年の大規模白化を生き残った群体も多くいた。その為、サンゴ種苗生産へとよく利用されており、自然再生の面で注目されている。
高水温や強い光によって白化することが多いが、死亡は比較的少ない。

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種名:トゲスギミドリイシ
学名:Acropora intermedia

石西礁湖では水路などの潮通しの良い所を中心に見られる、樹枝状サンゴの1種。ヨナラ水道で大群落を形成していたが、高水温等の被害を受け、被度が大きく低下した。色は茶色や青色。雌雄同体の放卵放精型(卵と精子を海中に放出する)で、ミドリイシ類共通の特徴として、夜に卵と精子が詰まったバンドルを一斉に放出することが知られている。枝の間はスズメダイやテングカワハギなどの住処となっている。また、観賞用として市場に出回っており、愛好する人も多い。
高水温などで白化しやすく、死亡しやすい。

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種名:エダコモンサンゴ
学名:Montipora digitata

石西礁湖では、礁池内の浅瀬によく見られる、樹枝状サンゴの1種。色は茶色が多い。石垣島南のリーフなどで大きな群落を形成することもある。雌雄同体の放卵放精型(卵と精子を海中に放出する)で、夜に一斉産卵を行うことが知られている。本種は骨格がかなり脆く、割れた破片が成長し、分散する破片分散といわれる方法での分散が盛んである。
本種は白化被害よりは黒い帯状の部分から死亡するBBD(Black Band Desease:ブラックバンド病)などの病気の被害が多い。

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種名:コモンサンゴ属の1種(葉状)
学名:Montipora sp.

石西礁湖では、礁池内の浅瀬によく見られる、葉状サンゴの1種。色は茶色が多く、縁が紫や青色に縁どられた群体もいる。石垣島南のリーフなどで大きな群落を形成することもある。雌雄同体の放卵放精型(卵と精子を海中に放出する)で、夜に一斉産卵を行うことが知られている。本種はサンゴの病気に罹患していることが多く、黒い帯状の部分から死亡するBBD(Black Band Desease:ブラックバンド病)、多数のコブが出来る腫瘍、白い線状模様から死亡するWS(White syndrome:ホワイトシンドローム)などの病気にかかっている様子が見られる。

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種名:コモンサンゴ属の1種(葉状・ブラックバンド病)
学名:Montipora sp.

石西礁湖では、礁池内の浅瀬によく見られる、葉状サンゴの1種。色は茶色が多く、縁が紫や青色に縁どられた群体もいる。石垣島南のリーフなどで大きな群落を形成することもある。雌雄同体の放卵放精型(卵と精子を海中に放出する)で、夜に一斉産卵を行うことが知られている。本種はサンゴの病気に罹患していることが多く、黒い帯状の部分から死亡するBBD(Black Band Desease:ブラックバンド病)、多数のコブが出来る腫瘍、白い線状模様から死亡するWS(White syndrome:ホワイトシンドローム)などの病気にかかっている様子が見られる。

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種名:シコロサンゴ
学名:Pavona decussata

石西礁湖では礁池内の浅場で見られる、葉状サンゴの1種。葉っぱのように広がるというよりは、葉っぱのような板状の骨格が垂直に組み合わさったドーム状の群体を作る。茶色の群体が多い。雌雄同体の放卵放精型(卵と精子を海中に放出する)で、夜に産卵を行う様子が見られることがある。観賞用として市場に出回っている。
比較的白化はしづらい。

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種名:アザミサンゴ
学名:Galaxea fascicularis

石西礁湖では広い範囲でよく見られる、塊状のサンゴの1種。茶色や緑色の群体が多い。見た目がアザミの花に似ていることからこの和名が付いたとされており、学名の「Galaxea」はポリプの集まりが銀河のように見えることからこの学名が付いたと言われている。雌雄同体の放卵放精型(卵と精子を海中に放出する)で、夜に産卵を行う様子が見られることがある。観賞用として市場に出回っている。本種はサンゴ同士の競争に強く、攻撃用のスウィーパー触手と呼ばれる、攻撃用の長い触手を持つ。また、サンゴの中でも比較的強い毒性があり、隣り合ったサンゴが攻撃された跡が残っていることがある。
多くはないが、高水温などで白化している様子も見られることがある。

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種名:トゲクサビライシ
学名:Ctenactis echinata

石西礁湖の広い範囲で見られるが、特にサンゴ礫が多い場所に転がっていることが多い。クサビライシ類はサンゴの中では珍しく単体性である。小さい頃は岩に固着し、キノコの様な形をしており、大きくなるとキノコの傘にあたる部分が取れ、写真のような姿で転がっている。「クサビラ」はキノコの意味で、この生活形態から由来している。本種は雌雄異体で放卵放精型(卵と精子を海中に放出する)だが、オスからメス、メスからオスの双方向の性転換が確認されている。
比較的白化しづらいが、近年白化する姿が見られている。

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種名:パラオクサビライシ
学名:Heliofungia actiniformis

八重山諸島以南の波の静かな礁池内に生息し、石西礁湖でも見られるが、珍しい。茶色の個体が多い。イソギンチャクの様な非常に長い触手が特徴で、他のクサビライシ類との区別は容易である。その見た目から、観賞用として流通しており、人気が高い。
比較的白化しづらいと言われているが、石西礁湖では白化被害を明確に確認できるほど生息数はみられない。

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種名:カメノコキクメイシ属の1種
学名:Favites sp.

石西礁湖では広い範囲でよく見られる、塊状のサンゴの1種。茶色や緑色の群体が多い。多角形の莢が規則正しく並んでいる。骨格は非常に硬く、成長は遅い。雌雄同体の放卵放精型(卵と精子を海中に放出する)で、夜に卵と精子が詰まったバンドルを放出する様子が見られることがある。
本種は白化しづらいが、2016年の大規模白化にて白化していた。

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種名:トゲキクメイシ属の1種
学名:Cyphastrea sp.

石西礁湖では広い範囲で見られる、塊状サンゴの1種。茶色の群体が多い。サンゴ個体が盛り上がっていることが特徴。骨格は非常に硬く、成長は遅い。雌雄同体の放卵放精型(卵と精子を海中に放出する)で、夜に卵と精子が詰まったバンドルを放出する様子が見られることがある。
本種は白化しづらいが、時々高水温などで白化する様子が見られることもある。

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種名:ハナガササンゴ属の1種
学名:Goniopora sp.

石西礁湖では広い範囲で見られるが、塊状サンゴの1種。灰色や茶色が多い。長く伸びる触手が特徴で、この触手を使って接するサンゴを攻撃する。特に攻撃用の触手はスウィーパー触手と呼ばれ、他の触手より長くなる。雌雄同体の放卵放精型(卵と精子を海中に放出する)で、夜に卵と精子が詰まった黒いバンドルを放出する様子が見られることがある。また、観賞用として流通しており、人気は高い。
本種は白化しづらいが、近年白化する様子が見られることがある。

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種名:ユビエダハマサンゴ
学名:Porites cylindrica

石西礁湖では広い範囲で見られる、枝状サンゴの1種。ハマサンゴ属は塊状の群体が多いが、本種は枝状の群体を形成する。石西礁湖では5m以上の大きな群体に成長している場所が複数みられる。灰色や黄色、茶色などの複数の色がある。成長はハマサンゴ属の中では比較的早いく、骨格はやや硬い。枝の間はスズメダイなどの小さい魚の住処になるほか、コブシメが卵を産み付けることがある。雌雄異体の放卵放精型(卵と精子を海中に放出する)で、夜に産卵を行う様子が見られることがある。
比較的白化しづらい。

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種名:コブハマサンゴ
学名:Porites lutea

石西礁湖ではいたるところで見られる塊状サンゴの1種。茶色や緑、黄色など様々な色の群体がいる。骨格は非常に硬く、成長は遅い。雌雄異体の放卵放精型(卵と精子を海中に放出する)で、夜に産卵を行う様子が見られることがある。穿孔性の生物がよく住み着いており、イバラカンザシやカンザシヤドカリなどが見られる。1m以上の大型になると周囲に魚などが住み着き、漁礁の様な役割を果たす。また、潮間帯では潮の満ち引きで群体の上部が干出して死んでしまうことでドーナツの様な形になるマイクロアトールが形成されることがあり、穴が開いた中心に魚が住み着いたり、サンゴが付くこともある。これらの役割によって、サンゴ礁生態系の基盤を支えている。
白化に強いとされている為、本種の白化の有無が海域の白化被害の指標となることがある。

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種名:ミズタマサンゴ
学名:Plerogyra sinuosa

石西礁湖でも礁斜面などで見られるが、数は少ない。連なった泡の様なものは嚢胞(のうほう)と呼ばれ、和名の「ミズタマ」はこれに由来する。ほとんど白色か、やや緑がかった色である。褐虫藻はほとんど持たず、嚢胞の下に隠れている触手にてプランクトンなどを捕食して栄養を摂取する。しばしばカクレエビなかまなどが住み着く。観賞用として流通しており、人気がある。

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種名:ナガイボヤギ
学名:Dendrophyllia gracilis

石西礁湖でもサンゴ礁の陰になっているところで見られるが、多くはない。赤色の共肉に黄色からオレンジ色の触手が特徴。本種を含むキサンゴ科のサンゴは褐虫藻を持たず、プランクトンを捕食している。観賞用として流通している。

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